
北海道で暮らしていると、毎年のように耳にする「ヒグマ出没」のニュース。
「ヒグマ対策」と聞くと、登山や山菜採りの際に鈴を持つ、複数人で行動する、出没情報を確認する――といった山の中での対策をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、ヒグマ対策は山の中だけの話ではありません。
旭川市も、ヒグマが市街地周辺に出没することがあるとして、「出没は決して他人事ではない」と注意を呼びかけています。
そして、家のまわりに置いてある生ごみや食べ物、コンポストなどの管理も、ヒグマを人里へ近づけないための重要なポイントです。
目次
秋は「ヒグマ注意特別期間」
北海道では、2026年9月1日から10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」としています。
秋は、ヒグマが冬眠に備えて食べ物を求めて活発に行動する時期です。また、人間側もキノコ採りやハイキングなどで野山に入る機会が増えることから、北海道は特に注意が必要な期間として注意喚起を行っています。
旭川市も2026年9月15日、この特別期間について改めて情報を発信し、ヒグマの出没情報を確認すること、薄暗い時間帯に行動しないこと、一人で野山に入らないことなどを呼びかけています。
ヒグマを引き寄せる「におい」に注意
ヒグマは食べ物を探して行動します。
旭川市はヒグマ対策として、ごみは地域のルールを守り、決められた収集日に出すこと、河川敷や公園、道路にごみを捨てないことを呼びかけています。
さらに重要なのが、生ごみを入れたコンポストです。
旭川市は、生ごみなどを入れたコンポストについて、ヒグマを引き寄せる可能性があるため管理に注意が必要で、できるだけ屋外に放置しないよう工夫することを案内しています。
つまり、
「庭の隅だから大丈夫」
「少量の生ごみだから大丈夫」
とは言い切れません。
食べ物のにおいがするものを屋外に置くこと自体が、ヒグマにとって“食べ物がある場所”になる可能性があります。
そもそもコンポストとは?
コンポストとは、生ごみや野菜くず、落ち葉などを、微生物の働きを利用して発酵・分解し、堆肥として再利用する仕組みです。
家庭から出る生ごみを減らすことができ、家庭菜園やガーデニングの肥料として活用できるため、環境面では非常に有効な取り組みです。
旭川市でも、生ごみの堆肥化を紹介しており、屋外型・屋内型・段ボール型など、複数の方法を案内しています。
ただし、ヒグマ対策という視点では別の注意が必要です。
特に生ごみを直接投入するタイプの屋外コンポストは、管理状態によっては食べ物のにおいが周囲に出る可能性があります。
そのため、ヒグマ出没の可能性がある地域では、コンポストを使う場合でも設置場所や管理方法について慎重に考える必要があります。
「ここにはエサがある」と覚えさせない
ヒグマ対策で非常に重要なのが、人の生活圏と食べ物を結びつけて学習させないことです。
旭川市は、市内で確認されたヒグマについて、人の食べ物や農作物などに執着し、人家付近への出没を繰り返すようになるケースがあると説明しています。
そうした個体は、結果として捕獲・駆除の対象になってしまうことがあります。
つまり、生ごみや食品を適切に管理することは、人間の安全を守るだけでなく、ヒグマを危険な行動へ学習させないためにも重要なのです。
北海道警察も、ヒグマとの事故を防ぐための注意事項として「食べ物やゴミは放置せず、必ず持ち帰る」ことを挙げています。
家のまわりを一度チェックしてみましょう
秋になったら、家のまわりを一度見渡してみてください。
生ごみの袋を収集日前から屋外に置いていないか。
コンポストに生ごみを入れたまま放置していないか。
庭に収穫しない果実が残っていないか。
食品やペットフードを屋外に置いていないか。
物置や住宅まわりに大量のごみや不用品が積まれていないか。
こうした身近なポイントを確認することが大切です。
特に旭川では、市街地へのヒグマ侵入を抑えるため、河川の樹木伐採などの対策も実施されています。市も実際に、市街地への侵入を想定した対策を進めているということです。
ヒグマを目撃したら、近づかない
もし住宅街などでヒグマを目撃した場合は、絶対に自分で確認しに行ったり、近づいたりしないでください。
旭川市では、ヒグマを目撃した場合や、足跡・フンなどの痕跡を発見した場合には、安全を確保したうえで警察(110番)または市役所へ通報するよう案内しています。
ヒグマが近くにいる場合、「大声を出す」「走って逃げる」「石を投げる」といった刺激を与える行動は避ける必要があります。
秋こそ「家の外の片付け」を
片付けというと、多くの方が家の中をイメージします。
しかし北海道の秋は、家の外を整理することも住まいの安全対策の一つです。
使わなくなった物を庭や住宅まわりに置いたままにしない。
ごみを適切に管理する。
食品や生ごみを屋外に放置しない。
こうした小さな習慣が、ヒグマを生活圏へ近づけない環境づくりにつながります。
「家のまわりに不用品が大量にある」
「自分たちだけでは片付けられない」
「物置や庭を一度整理したい」
そんな場合は、専門業者へ相談する方法もあります。
大量の不用品、お部屋や家まわりの片付けでお困りの方は、旭川の住まいレスキューへ。
秋の北海道だからこそ、家の中だけでなく、家の外にも目を向けて安全な住環境をつくっていきましょう。